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Chapter 01 建築家としての相貌 Face as an architect.

高橋恒夫氏

異次元空間

「スウェーデン帰国後、25歳で独立。上司の元での仕事に向かない。団体行動に馴染めず、自分を抑えて組織の所属するタイプでもないから。それは背景に留学時代に学んだ個人主義があるから。
しかし、事務所運営の知識もなく、お金の計算も無頓着。さらに、狭い建設業界での受注は地域の政治家や地元にコネもない。そこに留学時代の友人等から仕事が入り、仕事の幅を広げていくことができた。この方法を『異次空間』と名付け、拡大していく。
『異次空間』とは既存の受注場所とは次元の異なる空間、仕事の幅を広げていける空間のこと。それは『出会いの空間』である(in first class)。」
「その結果、建築に関する総合マネジメント法を身につけることができ、さらに事業全体を見通せるプロデューサー的な発想を導き出すようになった。」

25歳の肖像
ストックホルム工科大学正門前(50歳)

私の建築家論

建築には哲学が必要であり、経済には思想が必要なのである(建築家は、その後の数十年後の先を見据えることができて初めて一流の存在になれる)。

無形のものに価値を認めるべき

設計は無形。しかし、眼に見えるものだけではなく、無形のものにこそ価値を認めるべき。(「創価」を経済にする、ということか)
(『恒明庵 終の棲家』悠久の静寂の彼方へ「第3章 建築家としての独立」より抜粋)

無形のものに価値を認めるべき

設計は無形。しかし、眼に見えるものだけではなく、無形のものにこそ価値を認めるべき。(「創価」を経済にする、ということか)
(『恒明庵 終の棲家』悠久の静寂の彼方へ「第3章 建築家としての独立」より抜粋)

彫刻と建築

「結論から言えば、そこまで生きてきた人間の、全ての感性が集約されるということですね。住宅には。」
「私の建築はまだ彫刻の分野には到達は出来ていない。…フランスとかイタリアの建築というのは、彫刻に近づいていくような建築をしていますからね。」
「…例えば奈良の五重塔とか、あのようなものは彫刻の分野に入れても良いぐらいに思うね。要するに空気を刻んでいるのですよ」
「建物も美術も、構成要素が連携していかないと良い街というのは出来ないのですよね。資本主義経済そのものが、やはり文化を壊していくのですよ。」
「仙台も、仙台らしさという艶っぽさのある街の計画は、以前はあったのですけど、全て壊していますから今。それが残念なんだよね。むしろ仙台らしい風景があった時のほうが、街として生き生きしていたと思います。」(髙橋恒夫著『恒明庵 終の棲家』対談:高橋恒夫×中村信也「彫刻と建築」Sculpture and Architectureより抜粋)

大崎タイムズ(1998年8月13日朝刊より)

住宅哲学―終の棲家

「選択肢が無い画一的な日本の住宅。それは住宅に関する哲学が無いからである…住宅が変われば、住人の『人生が変わる』」。
「フィンランドに、建築家アルバ―・アールトによって開発されたタピオラ・ガーデン・シティというニュータウンがある。それは、まさに森の中にあり、職住一体型を目指した町。泉パークタウンは、このタピオラをモデルとして作られた。」
「終の棲家とは人生最後の建築であると同時に、人生で最高の建築であるべきであり、人生で最高の幸せな時間で過ごせるものだと思う。」
「日本家屋(建築)の伝統を取り入れること。その最大の利点は自然との共存である。」(『恒明庵 終の棲家』悠久の静寂の彼方へ「第1章 住宅とは何か、終の棲家とは何か」より抜粋)